「右肩上がりの時代は
終わった」
私たちはすでに、そうした時代の変化を感じながらも、いまだに「拡大」「上昇」「発展」といった言葉に無意識に価値を見出し、それに追随してしまう時代の空気の中に生きています。
表面的な数字や見かけの大きさではなく、そこにどれだけの内実があるのか。
目立つことではなく、静かでも誠実に生きる姿にこそ価値があるのではないか。
そうした問いを胸に、私たちは出版社を立ち上げました。
やまと出版が大切にしたいのは、「本物の価値」を静かに見極め、丁寧に世に届けていく営みです。
それは単にマーケティング的に〝共感〟を演出することではなく、社会や人間のあり方そのものを見つめなおす視点をもった出版活動です。
日本は長いあいだ、欧米的なスピードと競争を美徳とし、そこに右へならえしてきた側面があります。
もちろん、私たちは時代の変化やテクノロジーの進展を否定するものではありません。しかしその中で、本来この国がもっていた「慎み」「和」「自然との調和」といった価値観が置き去りにされてきたのではないか──。
この出版活動には、そうした問いかけも込められています。
とはいえ、私たちは偏った思想や過激な主張を掲げるつもりはありません。
特定の政治的立場に立脚するものでもなければ、かつての「右か左か」といった二項対立を持ち込むものでもありません。
ただ、変化のスピードに振り回されず、時代に逆らいすぎず、しかし流されもせず──
私たち自身が「日本人としての原点」に立ち返り、今あらためて考えたいと思うのです。
この国に生きる一人ひとりが、自分の声を、自分の速さで、自分の足で歩めるような社会とはどういうものか。
それを、著者とともに、本というかたちで問い、ひらき、届けていくことが、やまと出版の使命です。
発信するジャンルは問いません。
大切なのは、その中に「生き方」や「社会に対する誠実な問い」が宿っていること。
そして、読む人のなかに、そっと言葉の余韻が残るような一冊であること。
いま必要なのは、声高な主張や過激な煽動ではなく、静かだけれど芯のある言葉です。
そんな本を、これから少しずつ、丁寧につくっていきます。